Ipsos Views:第6回 パンデミック後の経済活動再開に伴い環境意識は薄まるか?
第6回 「パンデミック後の経済活動再開に伴い環境意識は薄まるか?」
ワクチン接種が世界的に進み経済に明るい兆しが見え始める一方、変異ウィルスの広がりも注視せねばならない状況が続いています。パンデミックとの闘いが長期に及び人々の余裕がなくなっていることを示すデータが今年のEarth Day (地球環境について考える日)調査で公開されました。
Q.政府はパンデミックからの経済回復期に気候変動問題を優先すべきではない。
グローバルでも日本においても、パンデミックからの経済回復期において、気候変動問題の優先度は下がると考える人が多く、気候変動問題を優先すべきと考える人とほぼ同率で二極化しています。
覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、昨年はどの国でも環境保護の優先度を下げるべきではないという意見が優勢でした。
パンデミックの長期化が、人々を「環境優先」と明言できない状況に追い込んでいることが分かります。
ここで心配されるのが個人の行動への影響です。人々がパンデミックと自然破壊との因果関係を疑い環境意識に少なからず影響を及ぼしていることは前号でお話しました。
パンデミックによって高まった環境意識は経済復興期に優先度を下げ、やがてパンデミック以前のレベルに戻ってしまうのでしょうか。
Q.パンデミックが収束し日々の制約から解放されたら、次のような行動を増やしますか、減らしますか。
パンデミック後も環境を考慮した行動は変わらず続けられそうであることが分かります。
但し、ここでスウェーデンのルンド大学で2017年に発表された脱炭素社会実現に最も効果的な人間の行動と比較すると、上記のランキングは脱炭素に効果的な順位にはなっていないことが分かります。
https://phys.org/news/2017-07-effective-individual-tackle-climate-discussed.html
カーボンフットプリント(CO2e)が最も大きく脱炭素に最も効果的なのは「出生率の減少」。次いで自動車を利用しない、飛行機を利用しない、食生活を植物/野菜中心にする、となっています。
出生率の減少は、人類が環境破壊を起こしていると言っているに等しいので、2位以下の生活パターンを積極的に取り入れ、人が増えても環境へのダメージがない社会を目指すしかないということになります。現在の調査結果ではこれら最も重要な生活パターンがトップに上がっていないので、優先順位を意識した行動が根付くことを期待します。
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