世界の民主主義国が主導する新しい国際協定と制度を世界は必要としているーグローバル市民の85%が同意

調査対象者は、世界の超大国(ロシア、中国、米国)が新しい制度や協定を遵守する可能性が最も低いと考えています。

33カ国、32,000人以上を対象にした世界規模の調査で、調査対象者の大半(85%)が、世界は民主主義国によって主導される新しい国際協定と制度を必要としている、と回答しています。ハリファックス国際安全保障フォーラムHalifax International Security Forumのためにイプソスが行った調査では、世界最大の超大国は、こうした新しい制度の方向性に従う可能性が最も低く、その結果、その有効性が損なわれていると多くの人が考えていることも明らかにされました。

世界の国際機関(各国が集まり、パンデミックや気候変動、国際平和など、現在の世界が直面する大きな課題について話し合い、対処する場)が、これらの課題によく対処していると認める割合が増える一方(62%、2021年から+4ポイント)、世界はもっとうまくやれるという考えも存在します。ほとんどの人(85%, +2ポイント )が、世界は民主主義国家が主導する新しい国際協定や制度を必要としていると考えています。

実際、グローバルの平均で 80% (+3ポイント) が、権威主義的な国よりも 民主主義的な国がより影響力を持てば、グローバルな制度や協定をより尊重するようになると答えています。特に、ウクライナ人(92%、今年新設)が最もそう感じており、次いでインドネシア(91%)、ペルー(88%、+4)、ポーランド(86%、+7)、韓国(86%、+1)に住んでいる人がそう感じているようです。逆に、日本(63%、-2)、米国(73%、+2)、フランス(74%、-2)、ハンガリー(74%、-2)、イタリア(75%、+1)、特に中国(75%、-8)の人々は、そうは感じていないようです。

世界市民は、新しい制度や協定を遵守する可能性は最も低いのは世界の超大国だと考えている

新しい制度や協定に対する要望は調査対象者の間でほぼ一致していますが、世界の超大国がそれらの協定を守るかどうかについては懐疑的な意見が多く、その実効性に疑問が持たれているようです。世界で最も遵守する可能性が低い国はどこか、という質問に対しては、ロシア(44%、+23ポイント)、中国(31%、-1ポイント)、米国(19%、-5ポイント)が挙げられています。昨年の調査では中国が1位でしたが、ウクライナ侵攻の影響でロシアが1位に躍り出てました。 

米国がイラン(11%、+3)や北朝鮮(10%、+1)といった権威主義的な政権より上位に位置していることは注目に値します。カナダが新しい協定や制度を遵守する可能性が最も低いとしたのは、わずか2%でした(変化なし)。

米国が民主主義国家にとって最も信頼できるリーダーであり続けるかどうかで世界は二分

米国が民主主義国家にとって、世界のために良い結果を追求する最も信頼できるリーダーであり続けるかどうかについて、世界は二分されています。10人に6人(グローバルの国別平均:59%)は、米国が民主主義世界の最も信頼できるリーダーとしての地位を維持していると答えていますが、41%はそう考えていないと回答しています。

ウクライナ(85%)、インド(78%)、ポーランド(78%)では、同意する割合が最も高くなっています。米国人は3人に2人(67%)が同意しています。オーストラリア(50%)、ベルギー(50%)、カナダ(50%)はほぼ同じ意見で一致しています。そして、ハンガリー(47%)、スウェーデン(47%)、トルコ(44%)、中国(43%)では、民主主義国家にとって米国が最も信頼できるリーダーだと考えている人は少数派にとどまっています。

本調査について

これは、2022年9月23日(金)~10月7日(金)に、米国、カナダ、マレーシア、南アフリカ、トルコの18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアの21~74歳、その他27カ国の16~74歳の成人32,507人を対象に、イプソスのグローバルアドバイザー オンライン調査プラットフォームで実施した調査の結果です。


Table of content

  1. 核兵器、生物兵器、化学兵器は今や世界が直面する最大の脅威と見なされている
  2. 世界的な紛争への懸念が高まる
  3. 世界情勢に良い影響を期待される国は引き続きカナダとドイツが上位
  4. 世界の民主主義国が主導する新しい国際協定と制度を世界は必要としているーグローバル市民の85%が同意

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