レピュテーション協議会レポート 2022
イプソスの最新のレピュテーション協議会は、不確実な世界情勢を背景に開催されていると言っても過言ではないでしょう。ウクライナ紛争、インフレをもたらすサプライチェーンのボトルネック、新型コロナウイルスの長引く影響は、世界に影響を与える要因のほんの一部ですが、私たちは社会、政治、経済の激変の完全な嵐の中にいるように見えます。
イプソス レピュテーション協議会
レピュテーション協議会の使命は、企業環境において広報担当などのコミュニケーターが直面する問題や課題の理解を深めること、また、より広い世界における主要なトレンド、問題、出来事に関する専門家の意見を取り入れることです。レピュテーション協議会の各会合は、企業コミュニケーションの世界における最新の考え方と実践に関する決定的なガイドを提供します。
第16回となるレピュテーション協議会は、世界の16市場に拠点を置く117人のシニアコーポレートコミュニケーターが参加しました。
レピュテーション協議会のメンバーのみなさま、最新版のレポートに貢献いただきありがとうございます。皆様のご参加がなければ
このレポートは不可能であったでしょう。
序文
イプソスの最新のレピュテーション協議会は、不確実な世界情勢を背景に開催されていると言っても過言ではないでしょう。ウクライナ戦争、インフレをもたらすサプライチェーンのボトルネック、新型コロナウイルスの長引く影響など、私たちは社会、政治、経済の大混乱の嵐の中にいるように見えますが、世界に影響を与えている要因のほんの一例に過ぎません。
しかし、このような背景のもと、企業はビジネスを継続する一方で、より大きな役割と責任を考えていく必要があります。ウクライナの紛争にどう対処すべきか。沈黙を守り、各国政府が危機を解決するのを待つべきなのか。それとも、国際社会の対応の中で、目に見える役割を果たすべきなの でしょうか。現在の世界的な混乱は、ESGに対するステークホルダーの期待も高めています。ESGを企業活動の中に組み込むことの難しさについて、協議会メンバーに話を聞きました。また、ESGの実施状況を判断するための一貫した指標を見出すことの難しさ、さらに、ESGに関する規則や基準が急速に変化していることが挙げられました。
また、企業の規制の増加について、協議会のメンバーに話を聞きました。それは、企業が正しいことを行うことを政府が信用していないのか、それとも、企業と社会が共に利益を得られるような、秩序ある規制された市場を作りたいという願望からなのでしょうか。メンバーからは、複雑な規則や規制のために費やされる時間と、緩和された規制環境下で事業を行うことで増大するリスクとの間のトレードオフについて、興味深い指摘がなされました。また、
このようなグローバルな展開の中で、効果的なコミュニケーション手段としてのソーシャルメディアの信頼性についてはどうでしょうか。そのスピードと、費用対効果の高い方法で特定の聴衆をターゲットにする能力については、ほとんど疑う余地がありません。しかし、誤報、合成メディア、フェイクニュースなどの問題がこれまで以上に蔓延するにつれ、それが危うくなってはいないでしょうか。
今年のレピュテーション協議会レポートは、ビジネスがかつてないほど注目され、透明性、信頼性、共感といった特質が企業の性格としてかつてないほど重要な部分を占める世界についての魅力的な内容が満載になっています。
第15回レピュテーション協議会レポートにご参加いただいた会員の皆様、ありがとうございました。また、今回取り上げた問題や、ご自身のコミュニケーション上の課題についてのご相談がありましたら、ぜひご連絡ください。