オーディエンス測定 5.0 - 境界線を押し広げる
我々は視聴率測定の第5世代に踏み込みつつあります。それは変化の早いメディア環境に合わせて手法が見直され、オーディエンスの包括的な理解の探求がこれまでよりも高まる時代です。また、技術よりも政治と経済が大きな障壁になる時代でもあります。
歴史を振り返れば、視聴率測定の方法においては4つの段階があったと言えます。そして、いままさに私たちが足を踏み入れようとしている段階は、これまでとは違う第5世代と呼べる時代です。
しかし、完全に違うわけではありません。我々が第5世代で利用しようとする多くの技術や手法は既にあるものです。デバイス・アグノスティック調査、パッシブデータ収集、従来調査と複数データソースの統合などです。そして高品質の手法と経験豊富な「人間」は今後も必要です。
変化が必要だと思われるのは、様々な業界のプレイヤーの姿勢と協業に対する意識です。
変化に対する恐れは、新しい手法を取り入れると妨げとなります。よくあるのは、より多くのプラットフォームでより早く、より頻繁にレポートすることで、コストが高くなるということです。しかし、いかなるビジネスモデルも、それが困難なことであっても、デジタル技術を受け入れないわけには行きません。
様々なメディアの協力 (たとえば複数のデータ収集技術を有する共有パネル)は、優先順位をステークホルダー同士で納得することさえできれば、経済的課題を打開する可能性を提供することができます。データサイエンスもまた、ビッグデータを利用可能なインサイトに変換する上でより重要な役割を果たすようになります。