気候変動問題、世界で注目度上昇

気候変動に対する人々の意識が世界中で高まっています。多くの人々の間でゴミ削減のために個人的な行動を起こそうとする意思が見られますが、政策措置には懐疑的です。

気候変動問題、世界で注目度上昇

イプソスは、2019年2月22日~3月8日に世界28カ国でオンライン調査を実施しました。この調査によると世界中の人々は環境問題に関して様々な懸念を抱いていますが、中でも気候変動の重要性が昨年と比較して高まっていることがわかります。主な調査結果は以下のとおりです。

  • 「地球温暖化・気候変動(37%)」、「大気汚染(35%)」、「人間が生み出すごみの処理(34%)」の3つが、今回の調査対象者が「自国が直面している環境問題」の上位です。これら3つの問題に対する懸念は昨年より広がってきています。
  • 日本では52%が「地球温暖化・気候変動は最重要問題である」と捉えており、今回の調査対象国中のトップとなっています。次いでスペイン(51%)、その後にドイツ(50%)、カナダ(48%)、そして韓国(48%)が続きます。
  • 日本の調査対象者は、リサイクル不可製品のごみ処理のための政策措置については非常に懐疑的です。今回の調査対象となった政策提案のうち、20%以上の人が効果的だとしたのは「リサイクル不可製品への課税」、「リサイクル事業改善への政府の投資増加」のみで、それらも世界28ヶ国の中では最低レベルです。
  • 多くの人々 は「使い捨て製品を完全になくす」「リサイクル料金や税金を支払う」ことよりも、「使い捨て製品を再利用する」など、個人レベルでライフスタイルを変えるほうが良いと考えています。

調査結果

調査対象の世界28ヶ国では、使い捨て製品やリサイクル不可能な製品に対しての懸念を抱いています。全体では、81%がこのような製品を懸念しており、一方で懸念していないのは15%に止まりました。

調査対象となった政府による6つの政策提案のうち、全体の過半数が「効果的だと思う」と回答したものは一つもありません。

  • 世界で最も効果的だと思われている政策は「リサイクル可能品目の拡大を推進するための政府支出」(46%)、「リサイクル不可能な製品を使用する店舗への課税」(33%)、「このような製品の価格を引き上げるための課税」(30%)となっています。日本の対象者の回答は「効果的だ」と考える人の割合が、どの政策に対しても世界の人々よりも低いという結果でした。
  • 昨年以来、世界の人々は可能性のある政策措置に対する考えを大きく変えていません。

人々は何かの行動を起こしてごみを減らそうとしていますが、自身の買い物習慣については多くを変えようと思っていません。

  • 調査対象国全体でみると、過半数の人々が「使い捨て製品を再利用」(56%)し、「再生原料から作られた製品を購入する」(51%)と考えています。
  • しかし「リサイクル施設の改善のためにより多くの税金を支払う」(12%)、あるいは「リサイクル不可なパッケージ(梱包)の商品に加算した料金を払う」(14%)意志がある人は少数に止まりました。
  • 世界的に見ると、人々は今年、昨年よりもパッケージ(梱包)のごみを削減するために、進んで何らかの個人的な行動を起こしたいと強く考えるようになったようです。これは、「再生原料で作られた製品を購入する」という意思(昨年の47%と比較し、今年は51%)に、最も大きく反映されています。

ほとんどの人は、誰かまたは何かに、不要なパッケージ(梱包)を減らす責任があると考えていますが、それがが何かについては意見が大きく分かれています。

  • 「パッケージ(梱包)商品の製造企業」(20%)、「パッケージ(梱包)用品を販売している企業」(9%)、政府(14%)、消費者(9%)、あるいは「前述の項目すべて」(39%)に責任があると多くの人々が考えています。一方で、「誰もこの責任を負わなくてよい」はたったの1%、また、「意見なし」か「わからない」は合わせて 6%です。
  • 日本(15%)は、不要なパッケージ(梱包)を減らす責任は消費者にあると考える人の割合が高く、トルコ(22%)、マレーシア(18%)、ぺルー(17%)に次いで4番目となりました。

世界的に見ると、以前に比べて人々は環境問題により関心を持ち 、政府の措置を有効だと考え、そして、より多くの個人的な行動を起こそうしています。一方で、昨年に比べ、解決策を見出す責任の所在を明確にしたいとは思わなくなっているようです。

  • 世界では、「3大環境問題」と考えられている「地球温暖化・気候変動」(30%から37%に増加)、「大気汚染」(30%から35%に増加)、「人間が生み出すごみの処理」(30%から34%に増加)について、2018年より懸念度が高まっています。
  • 世界的に見ると、以前の調査対象だった政策についてはすべて、2018年に比べて「効果がある」 と考える人が増えました。中でも、「広報キャンペーン」(23%から27%に増加)、および「政府が、再生不可能なパッケージ(梱包)を多用している店舗名を公表する」(23%から26%に増加)は、増加幅が最も大きい政策でした。
  • 人々は、「使い捨て商品を再利用する」(53%から56%に増加)など、リサイクル不可能なパッケージ(梱包)で生じる問題を減らすために、これまでよりも進んで行動を起こそうとしています。現在は過半数が「再生材料で作られた製品を購入したい」(47%から51%に増加)と考えています。
この調査結果は2019年2月22日から3月8日に実施されたイプソス グローバルアドバイザー調査によるものです。世界28カ国(アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コロンビア、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、セルビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、イギリス、アメリカ)で、イプソスオンラインパネルシステム利用して実施されました。調査対象者は19,519人(韓国では19-74歳、米国、カナダ、中国、マレーシア、南アフリカ、トルコでは18-74歳、その他の国では16-74歳)(アルゼンチン、ベルギー、コロンビア、チリ、ハンガリー、インド、マレーシア、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコでは500人以上、その他の国では1000人以上の個人)です。オンラインで調査された28カ国のうち15か国 (アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、イタリア、日本、ポーランド、韓国、スペイン、スウェーデン、米国) では各国の代表性を持ったサンプルです。ブラジル、中国、コロンビア、チリ、インド、マレーシア、メキシコ、ペルー、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコでは、各国の一般大衆よりも都市部在住、高学歴、高収入のサンプルです。我々は、これらの回答者を「アッパー・デック・コンシューマー市民」と呼んでいます。 彼らは各国の代表性を持ったサンプルではありません。

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