2024 年 2 月: G7 諸国で消費者信頼感が低下

アジア太平洋地域の景況感は大きく上昇していますが、ヨーロッパでは複雑な状況となっています。

イプソス世界消費者信頼感指数は先月からほとんど動きがなく(-0.2ポイント)、49.1にとどまっています。過去 2 カ月間で 2 ポイント上昇した後、同指数は 2023 年下半期の大半と同様に安定を示しています。調査対象29カ国のうち、7カ国が消費者景況感の大幅な上昇を示し、8カ国では顕著な低下を示しています。

2010 年 3 月以降の調査対象である「レガシー20カ国」のみに基づくと、 46.6 となります。これは先月より 0.5 ポイント低下しましたが、「レガシー 20カ国」指数は昨年のこの時期の数値を 2 ポイント近く上回っています。

現況指数と雇用指数はいずれも1月以来低下しています。対照的に、期待指数と投資指数は大きな変化は見られません。

G7 諸国の間で景況感は大きく低下しており、英国 (-3.2 ポイント)、カナダ (-2.1 ポイント)、ドイツ (-2.0 ポイント) はいずれも大幅な低下を示しています。しかし、日本の消費者景況感(+2.4 ポイント) はここ 2 年あまりで最高値を記録しています。

対照的に、アジア太平洋地域では消費者信頼感が大幅に上昇しています。韓国 (+3.7 ポイント) とインド (+2.9 ポイント) は日本とともに大幅な上昇を示しました。逆に、シンガポール (-4.7 ポイント) は、調査対象国の中で最大の落ち込みを示しています。

消費者景況感はヨーロッパ全体で複雑な状況となっています。スウェーデン (+3.3 ポイント) とオランダ (+2.3 ポイント) が大幅に上昇した一方、ハンガリー (-3.4 ポイント) とベルギー (-2.7 ポイント) はいずれも低下を示しました。

グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべての総合または国別指数の平均値です。今月の記事は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォーム Global Advisor online platformで実施された、29カ国の 75 歳以下の 21,000 人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は、2024 年 1 月 26 日~ 2 月 9 日に実施されました。

29カ国の消費者景況感

29カ国の中で、インド (69.4) が今月最高の国別指数を保持しています。国別指数スコアが 60 以上の国は他にインドネシア (65.2) とタイ (60.4) です。

他に国別指数が 50を超えているのは、ブラジル (58.0)、メキシコ (57.5)、オランダ (55.6)、スウェーデン (53.5)、シンガポール (53.0)、米国 (52.0)、英国 ( 51.5)、コロンビア(51.2)、ポーランド(51.1)、マレーシア(50.2)の10カ国です。

対照的に、国別指数が 40 を下回っているのは、トルコ (34.6) とハンガリー (34.4) の 2カ国のみです。

日本(40.2)の今月のスコアは、2022年1月以来初めて40を上回りました。

12カ月前と比較して、消費者景況感の大幅な減少を示しているのは4カ国です。 14カ国では大幅な上昇を示しており、特にポーランド (+13.1) とインド (+11.7) が顕著な上昇を示しています。

イプソスの世界消費者信頼感指数(調査対象29カ国に基づく)は現在 49.1 で、先月からわずかに 0.2 ポイント低下しました。 2010 年 3 月以降の調査対象である「レガシー20カ国」のみに基づくと、46.6 となります。

現在の個人の経済状況、購買や投資意欲、雇用の安定性を反映する現況指数は、29カ国全体で 0.5 ポイント低下し、39.8 となっています。 現況指数が前月比で大幅に上昇(少なくとも 2 ポイント)しているのは10カ国、大幅な低下を示しているのも10カ国となっています。

消費者の投資意欲を示す投資指数はほとんど動きを見せず(-0.2ポイント)、42.2となっています。 9カ国では投資指数が大幅に上昇し、8カ国では大幅な低下が見られました。

消費者の今後の経済状況に対する期待を示す期待指数に大きな変化はなく (+0.3 ポイント)、57.9となっています。スペイン (-2.4 ポイント) とアルゼンチン (-2.2 ポイント)のみが大幅な減少を示した一方で、4カ国のみが大きな上昇を示しました。

雇用の安定と雇用市場に関する認識を反映する雇用指数は、今月は0.5ポイント低下し58.0となっています。トータルでは3カ国のみが雇用指数で大幅な上昇を示しており、8カ国は大幅な低下を示しています。

注目すべきは、4 つのサブ指数すべてで大幅な上昇(少なくとも 2 ポイント)を示した国はないということです。アルゼンチンは、4 つのサブ指数すべてにおいて前月比で大幅な減少を示した唯一の国です。

 

本調査について

これらの調査結果は、イプソスがオンライン調査プラットフォーム「 Global Advisor」と、インドではプラットフォーム「 IndiaBus」で実施した 29カ国を対象とした月次調査のデータに基づくもので、LSEGが Primary Consumer Sentiment Index (PCSI)にとして毎月初めに報告しているものです。

今回の調査では、イプソスはインドの18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国の16 ~ 74 際の成人計21,200人を対象に調査を実施しました。

社会