コロナ禍の世界における幸福の状況
イプソスが実施した世界の幸福度に関する最新の調査によると、世界27カ国の調査対象者の63%が幸福だと回答しています。 新型コロナウイルスが世界で大流行しているにもかかわらず、全体の幸福度は、昨年とほとんど変わっていません。しかし、国別にみると多くの国で前年比で大きく変化しており、ペルー、チリ、メキシコ、インド、米国、オーストラリア、カナダ、スペインでは8ポイント以上減少し、中国、ロシア、マレーシア、アルゼンチンでは8ポイント以上増加しています。日本は3ポイント上昇し、55%という結果でした。
調査対象となった国で、対象者の4人に3人以上が「非常に/どちらかといえば幸福である」と回答した国は、中国、オランダ、サウジアラビア、カナダ、フランス、オーストラリア、英国、スウェーデンです。一方、「非常に/どちらかといえば幸福である」と回答した人が2人に1人に満たなかったのは、ペルー、チリ、スペイン、アルゼンチン、ハンガリー、メキシコです。
調査では「あなたに幸福をもたらすもの」として29の項目を挙げました。その中で世界の対象者が「最も幸福をもたらす」要因に選んだのは以下の項目です。
- 自分の健康/健康状態 (世界で55%が選択)
- パートナー/配偶者との関係 (49%)
- 自分の子ども (49%)
- 自分の人生に意味があると感じること (48%)
- 生活状況 (45%)
昨年実施されたコロナ以前の調査と比較すると、世界的に最も重要性を増している幸福の源泉は、人間関係、健康、安全に関するものです。その一方で、時間とお金は幸福の原動力としての地位を譲りました。
幸福度の変化
世界的に見ると、幸福度はほとんど変わっていません。昨年(64%)から今年(63%)ではわずか1ポイント下がっただけです。しかし、中国、ロシア、マレーシア、アルゼンチンの6か国では5ポイント以上上昇したのに対し、ペルー、チリ、メキシコ、インドを中心とする12か国では5ポイント以上低下しました。
2020年の幸福度では、中国が93%で最も高く(昨年より11ポイント上昇、3位から上昇)、オランダが87%(今年から新規追加)、サウジアラビアが80%(2ポイント上昇)で続いています。
昨年、幸福度でトップだったカナダとオーストラリアは、今年に入って著しく減少し、カナダは78% (8ポイント下降)でフランス(2ポイント下降)と並んで4位に、オーストラリアは77% (9ポイント下降)で6位に落ちました。
調査によると、ペルー(32%、26ポイント下降)、チリ(35%、15ポイント下降)、メキシコ(46%、13ポイント下降)では、幸福度が低下しています。ペルー、チリ、スペイン(38%、8ポイント下降)では、2019年に最下位だったアルゼンチン(43%、9ポイント上昇)よりも幸福度は下になっています。
日本は55%で、3ポイント上昇しました。
調査対象の世界27カ国全体では、調査対象者の11%が「とても幸せ」、52%が「どちらかといえば幸せ」、31%が「あまり幸せではない」と言い、6%が「全く幸せではない」と回答しています。アメリカでは、12%が 「とても幸せ」 、58%が 「どちらかといえば幸せ」 、25%が 「あまり幸せではない」 、6%が 「まったく幸せではない」 と回答しています。
自分が「とても幸せ」だと回答したの割合が最も高い国は、サウジアラビア (30%) 、インド (22%) 、オランダ (20%) です。「全く幸せでない」 と回答した人の割合が最も高い国は、スペイン (13%) 、チリとアルゼンチン(いずれも12%)、ハンガリー (11%) です。
日本は8%が「とても幸せ」、9%が「全く幸せでない」 と回答しました。
過去10年間で幸福度は急激に減少しました。2011年から2020年の間に、「幸せだ」と回答した人の割合は、調査対象国全体で14ポイント下降しました。いずれの年も調査対象であった23か国のうち17か国で、5ポイント以上下降しています。メキシコ、トルコ、南アフリカ、アルゼンチン、スペイン、インドは20ポイント以上下降しています。2011年以降、顕著な上昇を示している国は中国(+15ポイント)だけです。
コロナ禍であなたを幸福にするものとは
調査では「あなたに幸福をもたらすもの」として29の項目を挙げました。その中で世界の対象者が「最も幸福をもたらす」要因に選んだのは以下の項目です。
- 自分の健康/健康状態 (世界で55%が選択)
- パートナー/配偶者との関係 (49%)
- 自分の子ども (49%)
- 自分の人生に意味があると感じること (48%)
- 生活状況 (45%)
- 自分の安全や安心 (45%)
- 自分の人生をコントロールしている感覚 (43%)
- 有意義な仕事/雇用を持つこと (43%)
- 生活の方向性に対する満足度 (40%)
- より多くのお金があること (40%)
昨年と比較すると、世界的に最も重要性が高まっている幸福の源泉は、人間関係、健康、安全に関係しています。
毎年、調査項目の多くは「最も/ある程度幸福をもたらす」と回答した人の割合が世界的に著しく増加しています。今年最大の上昇が見られたのは以下の項目です。
- 自分のしたことを許されること (+5ポイント)
- 誰かがしたことを許すこと (+4)
- 自分の安全や安心 (+4)
- 自分の健康/健康状態 (+4)
- 一緒にいる人を見つける (+4)
いずれの項目も「最も幸福をもたらすもの」と回答した人の割合が2ポイント以上上昇することはありません。ただし、次の2つの項目では、3ポイントの低下が見られます。
- 自分の経済状況
- 自由になる時間
さらに、以下の項目では、「最も/ある程度幸福をもたらす」と回答した人の割合が3ポイントの低下が見られます。
- 自国の新しい政治的リーダーシップ
普遍的な幸福の要因と文化特有の幸福の要因
調査によると、幸福の原動力の上位は普遍的なものである傾向があります。調査対象となった27カ国のうち14カ国では、「最も幸福をもたらす」と回答した人の割合が最も多いトップ5の項目のそれぞれが、世界のトップ10に入っています。これらの国には、ブラジル、カナダ、チリ、中国、インド、イタリア、メキシコ、オランダ、ペルー、ポーランド、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、米国が含まれます。
しかし、そのほかの国では、トップ5の要因が世界のトップ10に入っていないものがあります。それらは以下の項目です。
- 自分の経済状況 (フランス、ハンガリー、ロシア、韓国)
- 自分の友人 (オーストラリア、ベルギー、英国)
- 自分の趣味/興味 (日本)
- 一緒にいる人を見つける (ロシア、ドイツ、日本)
- 自国の状況の良さ (アルゼンチン)
- 自分の自由になる時間 (日本)
- 成功者として認められること (トルコ)
- 経済の状況 (韓国)
- 自分の精神的または宗教的な健康 (マレーシア、サウジアラビア)