2024 年 1 月:ヨーロッパの消費者信頼感は引き続き上昇

アジア太平洋地域でも景況感は上昇していますが、ラテンアメリカではより複雑な状況となっています。

イプソス世界消費者信頼感指数は先月から 1.7 ポイント上昇し、49.3 となっています。 2023 年下半期には概ね安定していた同指数は、ここ 2カ月で 2 ポイント以上上昇しました。調査対象 29カ国のうち、12 カ国が消費者景況感の大幅な上昇を示し、2 カ国のみが顕著な低下を示しています。

2010 年 3 月以降の調査対象である「レガシー 20カ国」のみに基づくと、47.0 となります。これは、2023年初頭の数値より2ポイント以上高く、新型コロナウイルスのパンデミック直前の2020年2月の数値より0.5ポイント低くなっています。

消費者景況感について、4 つのサブ指数すべてが大きな変化を示しています。

ヨーロッパ各国の景況感は上昇を続けています。英国 (+6.1 ポイント) とベルギー (+2.0 ポイント) は、いずれも 2 カ月連続で国別指数が大幅に上昇しました。今月はフランス (+4.6 ポイント) とスウェーデン (+3.9 ポイント) も上昇を示しています。  

消費者信頼感はアジア太平洋地域でも大きく上昇しており、マレーシア (+4.4 ポイント)、オーストラリア (+2.8 ポイント)、インド (+2.2 ポイント) がいずれも大幅な上昇を示しています。

一方、ラテンアメリカの景況感は引き続き複雑です。チリ (+3.9 ポイント)、アルゼンチン (+3.0 ポイント)、ペルー (+2.4 ポイント) はいずれも大幅に上昇しましたが、メキシコ (-4.2 ポイント) は全ての国の中で最大の減少を示しました。

グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべての総合または国別指数の平均値です。今月の記事は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン 調査プラットフォーム Global Advisor online platformで実施された、29 カ国の 75 歳以下の 21,000 人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は、2023 年 12 月 22 日~ 2024 年 1 月 5 日に実施されました。

29 カ国の消費者景況感

29 カ国の中で、インド (66.5)が今月最高の国別指数を保持しています。国別指数スコアが 60 以上の国は他にインドネシア (65.1) だけです。

他に国別指数が 50を超えているのは、 タイ (58.8)、シンガポール (57.7)、ブラジル (56.1)、メキシコ (55.7)、英国 (54.7)、オランダ (53.3)、米国 ( 52.9)、ポーランド(52.9)、ベルギー(51.3)、マレーシア(50.6)、スウェーデン(50.2)、オーストラリア(50.2)の 12 カ国です。

ベルギーの今月のスコアは、2010年の調査開始以来最高値となりました。また、英国は2021年8月以降で最高値でした。  

対照的に、国別指数が 40を下回っているのは、韓国 (38.8)、ハンガリー (37.8)、日本 (37.8)、トルコ (32.1) の 4 カ国のみです。

12カ月前と比較して、消費者景況感の大幅な減少を示しているのはオーストラリアとイスラエルだけです。 10カ国が大幅な上昇を示しており、特にポーランド (+16.4) と英国 (+13.1) が顕著な上昇を示しています。

トレンド

イプソスの世界消費者信頼感指数(調査対象 29カ国に基づく)は現在 49.3 で、先月から 1.7 ポイント上昇しています。 2010 年 3 月以降の調査対象である「レガシー 20 カ国」のみに基づくと、47.0 となります。

現在の個人の経済状況、購買や投資意欲、雇用の安定性を反映する現況指数は、29 カ国全体で 2.5 ポイント上昇し 40.2 となっています。現況指数が前月比で大幅に上昇(少なくとも 2 ポイント)しているのは実に19カ国で、大幅な低下を示しているのはわずか2か国のみです。  

消費者の投資意欲を示す投資指数は2.4ポイント上昇し、42.4となりました。投資指数が大幅に上昇した国は 14 カ国で、2カ国のみが大幅な低下を示しています。

消費者の今後の経済状況に対する期待を示す期待指数は、0.9ポイント上昇し、57.6となりました。10カ国が期待指数で大幅な上昇を示し、トルコのみが大幅な低下を示しています。

雇用の安定と雇用市場に関する認識を反映する雇用指数は、今月は1.2ポイント上昇し現在58.5となっています。14カ国が雇用指数で大幅な上昇を示し、4カ国が大幅な低下を示しています。

注目すべきは、英国、アルゼンチン、南アフリカ、チリ、ペルー、インド、マレーシアの7カ国が4つのサブ指数すべてで大幅な上昇(少なくとも2ポイント)を示していることです。対照的に、トルコのみが、 4 つのサブ指数すべてにおいて前月比で大幅な減少を示しています。

本調査について

これらの調査結果は、イプソスがオンライン調査プラットフォーム「Global Advisor」と、インドではプラットフォーム「IndiaBus」で実施した29カ国を対象とした月次調査のデータに基づくもので、LSEGがPrimary Consumer Sentiment Index (PCSI) として毎月初めに報告しているものである。

今回の調査では、イプソスはインドの18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国の16 ~ 74歳の成人計21,200人を対象に調査を実施した。

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