2024 年 3 月: ヨーロッパ全体の消費者信頼感はばらつきが見られる
イプソス世界消費者信頼感指数は先月から 0.5 ポイント低下し、48.6 となっています。今月の落ち込みは、2023年2月に新たに9カ国が調査に追加されて以来、初めての大幅な低下となりました。この減少にもかかわらず、同指数は依然として昨年の同時期の数値を3ポイント近く上回っています。
調査対象29カ国のうち、3カ国のみが消費者景況感の大幅な上昇を示し、7カ国では顕著な低下を示しています。
2010 年 3 月以降の調査対象である「レガシー20カ国」のみに基づくと、 46.4 となり、2 月からわずかに 0.2 ポイント低下しました。 「レガシー 20カ国」指数は、昨年のこの時期の数値を 2 ポイント上回っています。
現況指数、期待指数、投資指数はいずれも先月から低下しています。対照的に、雇用指数は大きな変化は見られません。
消費者景況感はヨーロッパ全体では依然として複雑な状況となっています。今月はスペイン (+3.0 ポイント) とイタリア (+2.6 ポイント) が大幅に上昇した一方、英国 (-4.4 ポイント) とスウェーデン (-2.7 ポイント) は大幅な減少を示しています。英国では、過去2年以上で最高を記録した1月以降、景況感は8ポイント近く低下しました。
先月から一転して、アジア太平洋地域では消費者信頼感が大幅に低下しています。タイ (-4.9 ポイント)、マレーシア (-4.2 ポイント)、韓国 (-2.0 ポイント) はいずれも大幅に減少しており、インド (+2.8 ポイント) のみが大幅な上昇を示しています。
グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべての総合または国別指数の平均値です。今月の記事は、イプソス・グローバルアドバイザーの オンライン調査 プラットフォーム Global Advisor online platformで実施された、29カ国の 75 歳以下の 21,000 人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は 2024 年 2 月 23 日~ 3 月 8 日に実施されました。
29 カ国の消費者景況感
29 カ国の中で、インド (72.2) が引き続き最高の国別指数を保持しています。インドネシア (63.4) は、インドと並び国別指数スコアが 60 以上である唯一の国です。
他に国別指数が50を超えているのは、メキシコ(58.6)、ブラジル(56.8)、タイ(55.5)、オランダ(55.1)、シンガポール(53.3)、米国(53.1)、スウェーデン(50.9) )、ポーランド(50.8)、オーストラリア(50.8)の9カ国です。
対照的に、国別指数が 40 を下回っているのは、ハンガリー (35.4) とトルコ (33.8) のみです。
注目すべきは、イタリア(46.9)の今月のスコアは、2021年10月以降同国の最高値となりました。
12 カ月前と比較して、消費者景況感の大幅な減少を示しているのは 3カ国のみです。 18カ国では大幅な上昇を示しており、中でもインド (+15.0) とポーランド (+12.6) が顕著な上昇を示しています。
トレンド
イプソスの世界消費者信頼感指数(調査対象 29カ国に基づく)は現在 48.6 で、先月から 0.5 ポイント低下しています。 2010 年 3 月以降の調査対象である「レガシー 20カ国」のみに基づくと、46.4 となります。
現在の個人の経済状況、購買や投資意欲、雇用の安定性を反映する現況指数は、 29カ国全体で 0.5 ポイント低下し、39.2 となっています。現況指数が前月比で大幅に上昇(少なくとも 2 ポイント)しているのは8カ国、大幅な低下を示している国は 9カ国となっています。
消費者の投資意欲を示す投資指数は 0.6 ポイント低下し、41.5 となっています。 5 カ国が投資指数で大幅な上昇を示し、9カ国が大幅な低下を示しています。
消費者の今後の経済状況に対する期待を示す期待指数は最大の低下(-0.7 ポイント)を示し、 57.3 となっています。全体で、期待指数で大幅な上昇を示したのは 3カ国のみで、9カ国が大幅な減少を示しています。
雇用の安定と雇用市場に関する認識を反映する雇用指数は、わずかに0.3ポイント低下し57.7となっており、唯一低下が見られませんでした。 6 カ国が雇用指数で大幅な上昇を示している一方、9カ国では大幅な減少が見られます。
注目すべきは、2 カ月連続で、4 つのサブ指数すべてで大幅な上昇(少なくとも 2 ポイント)を示した国はないということです。対照的に、マレーシア、コロンビア、南アフリカは、4 つのサブ指数すべてにおいて前月比で大幅な減少を示しています。
本調査について
これらの調査結果は、イプソスがオンライン調査プラットフォーム「 Global Advisor」と、インドではプラットフォーム「 IndiaBus」で実施した 29カ国を対象とした月次調査のデータに基づくもので、LSEGが Primary Consumer Sentiment Index (PCSI)にとして毎月初めに報告しているものです。
今回の調査では、イプソスはインドの18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国の16 ~ 74 際の成人計21,200人を対象に調査を実施しました。