高齢者のリスクが最も高い?女性や若者は自主隔離を実施する傾向

調査対象の世界15カ国では、およそ80%の女性が自主隔離を行っていると回答しています。

新型コロナウイルスが世界的に大流行して数カ月。世界中で10万人以上が死亡しているなかで、感染の拡大を少しでも抑えるために、厳しい隔離政策やソーシャルディスタンスの政策が実施されています。

また、ウイルスによる死亡率が高齢者と男性の間で高いことを示すデータを含め、感染拡大におけるリスクが最も高いのは誰なのか、様々な発表が出ています。

しかし、世界15カ国で29,000人を対象に実施した 最新のグローバルアドバイザー調査によれば、若者や女性の間で、政府命令か自主的かは問わず、自宅などでの隔離を実施する傾向が高いことがわかりました。

15カ国の平均を見てみると、隔離生活を送っていると回答したのは男性では75%であるのに対し、女性は80%です。

女性がそう回答した傾向が最も高い国は、感染者数が世界で2番目に多いスペイン (96%) です。そしてブラジル (92%) 、フランスとメキシコ (90%) 、ロシア (89%) と続きます。一方、男性がそう回答した傾向が低い国は日本 (13%) 、ドイツ (63%) 、オーストラリア (67%) 、カナダ (69%) 、イタリア (74%) です。

Who's most likely to isolate amid covid-19? | coronavirus pandemic | Ipsos | Global @dvisor

ワシントンD.C.にある非営利シンクタンク、Center for Global Development でジェンダー&シニア政策分析のアシスタントディレクターを務めるMegan O’Donnell氏(以下、オドネル氏)は、今回の調査結果は、人々に根付くリスク行動についての社会的要因が反映されていると述べています。

「多くの状況において、『男性らしさ』をめぐる規範は、COVID-19の健康リスクを無視するよりも更に危険な行動へと男性や少年たちを駆り立てます。これは、薬物乱用が深刻な男性は交通事故を起こす可能性が高いことにも見られます。」

そしてこう付け加えています「もしも特定のジェンダーに「無敵であるほど強い」と教えていると、これは社会において意図しない結果、逆効果を引き起こす可能性があるのです」。

日本政府は木曜日に行った記者会見で、新型コロナウイルスによる死者の70%が男性であることを発表していますが、隔離を行っていると答えた男性は13%にとどまっています。government official said in a press conference on Thursday.

しかし、オドネル氏は、経済的な必要性や物理的な空間の限界が、性別に関係なく隔離行動の妨げになっているとも指摘しています。

「この状況が深刻なリスクとなる低所得環境では、男性よりも女性のほうがより経済的に脆弱なのです。」

若年層はソーシャルディスタンスを実践している

自らを守るために行動を起こしている若者に関しては、15カ国平均で、35歳未満の82%が隔離状態にあると答えています。35歳以上では75%です。

35歳以下において隔離を実践していると答えた割合がより大きかったのは、感染被害の大きいヨーロッパ各国や新興市場、具体的には、スペイン (96%) 、ベトナム (92%) 、フランス (90%) 、ブラジル、メキシコ、ロシア (89%) です。

一方、45歳以上で隔離を実施しない傾向が強いのは日本 (12%) 、ドイツ (64%) 、オーストラリア (66%) です。

世界保健機構(WHO)は4月上旬、欧州でのCOVID-19による死亡者の95%以上が60歳以上であると発表しましたが、若者が安心してはならないとも警告しています。

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