インターネットに関するユーザーの信頼度は2019年から大きく低下
国際的な調査によって、インターネットに対するユーザーの信頼が2019年以降、大きく低下していることが明らかになりました。これは、ドイツ、ハンブルグのThe NEW INSTITUTEが発表した、イプソスの20カ国における調査の主要な調査結果の一つです。
インターネットを信頼していると答えたユーザーは、20カ国の平均で63%に過ぎない
2019年に同様の調査を実施して以来、11ポイント減少しています。唯一の例外は、信頼度が7ポイント上昇した日本です。 しかし、日本は稀なケースで、インド(-10ポイント)、ケニア(-11)、スウェーデン(-10)、ブラジル(-18)、カナダ(-14)、米国(-12)、ポーランド(-26)ではインターネットの信頼度が2桁も縮小したことが今回の調査で明らかになりました。
調査対象国の一覧、調査方法、調査対象者の詳細は以下の通りです。A complete list of countries surveyed and details about the survey methodology and those who were questioned is found below.
プライバシーは、調査対象者にとって大きな懸念事項でした。79%がオンライン上のプライバシーに不安を感じています。オンライン上のセキュリティが十分だと感じているのは、わずか50%でした。
多くの人が インターネットにおけるガバナンスが不十分だと感じています。回答者の半数強(57%)は、インターネットは効果的に管理されていると考えていますが、英国(45%)、米国(45%)、フランス(41%)、イスラエル(34%)では、そう感じている人は半数以下で す。
ドイツではインターネットへの信頼が61%に低下。2019年から9ポイント減
これは、グローバルの平均の63%をわずかに下回るものの、カナダ(57%)および米国(54%)よりは高い数値です。
「今回の調査では、人類が作り出した最大の通信・情報ネットワークに対する不信感が明確に示された」と、THE NEW INSTITUTEのSocio-Economic TransformationプログラムチェアであるChristian Kastrop博士は述べています。Kastrop博士は、元ドイツ連邦政府デジタル社会、消費者政策担当国務長官です。「インターネットユーザーが、彼らを守り、力を与える具体的かつ効果的な方針を求めていることは明白である」と述べています。
プライバシーに関する懸念や世界的な信用の急速な低下の中で、インターネットユーザーは、オンライン・プライバシーの効果的な強化のための新たな規制を求めています。また、自分の個人情報がどのように収集され、使用されるかについて、より適切に管理されることも望んでいます。
インターネットに対する信頼を高めるために最も効果的な政策として、ユーザーのプライバシーの保護(65%)、ユーザーの個人情報の保護(65%)、インターネット企業がユーザーデータをどのように収集し利用するかを詳細に示す基準の確立(62%)、ユーザーが自身のデータをコントロールできる政策の確立(62%)などが挙げられると回答しています。
The New Instituteのイニシアチブ・リーダーであるPaul Twomey博士は、「インターネット革命が進化し続ける中で、インターネットユーザーの力を高め、彼らの懸念に耳を傾けることが重要である。これは、プライバシーのためだけでなく、個人への直接的な利益を向上させ、社会的なプラスの成果を拡大することにもつながるだろう」と述べています。
「インターネットに対するユーザーの信頼が、世界的に着実に失われていることに疑いの余地はない。 またこの疑念は、データのプライバシーとセキュリティに関する懸念によって引き起こされている」とTHE NEW INSTITUTEの客員研究員で、カナダ、オタワのカールトン大学の総長教授であるFen Hampson博士は述べています。「今回の調査では、オンライン上で人々が自分自身のデータをコントロールできるようにするための規制や技術的な革新に対して、幅広い支持があることが明らかになった。そして、それがインターネットに対する信頼を回復するために不可欠であることも明らかだ。」
本調査について
イプソスの世論調査は、Fen Osler Hampson博士(カナダ、オタワのカールトン大学Carleton University、The New Institute)とSean Simpson(イプソスカナダ、トロント)が率いる研究チームによって実施されたものです。この調査は、Social Sciences and Humanities Research Council in Canada (SSHRC) の助成を受けて行われました。
このオンライン調査は、2021年11月10日~24日の間にイプソスが実施したものです。20か国(オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、インド、インドネシア、イスラエル、日本、ケニア、メキシコ、ポーランド、南アフリカ、韓国、シンガポール、スペイン、スウェーデン、トルコ、米国)のインターネットユーザー14,519人を対象に実施されました。南アフリカ、トルコ、イスラエル、米国、カナダの18-74歳、シンガポールとインドネシアの21-74歳、その他の国では、16-74歳が対象です。調査対象者は500人または1,000人で、各国の人口に見合うように加重されました。各国のサンプルが人口パラメータを確実に反映するように、割付と加重が使用されました。イプソスオンライン調査の精度は信頼区間に基づいて計算されています。これらは、n=1000の調査が実施された国では20回中19回、±3.5%ポイント以内、n=500の調査が実施された国では20回中19回、±5.0%ポイント以内の精度とみなされます。