世界が懸念していること – 2021年2月

世界27カ国の人々の約3分の2(64%)が、自国の状況が誤った方向に向かっていると回答しました。新型コロナウイルスは、ほぼ1年間にわたりイプソスのグローバル調査でトップの関心事となっています。

世界27カ国で現在最も重要な社会的・政治的問題に関する世論を追跡しているイプソスの「世界が懸念していること (What Worries the World) 調査」によると、自国が直面している問題として、コロナウイルスが依然としてトップであることがわかりました。新型コロナウイルスに対する懸念の世界の国平均は、先月と同様50%となっています。

18項目にわたる懸念事項のランキングでは、2位が「失業」、3位が「貧困・社会的不平等」、4位が「金融・政治的腐敗」、5位が「犯罪・暴力」となっています。

新型コロナウイルス

4分の3以上(77%)が「新型コロナウイルス」を最重要課題として選択したマレーシアは、今月、パンデミックへの関心が最も高い国となりました。

また、英国(68%)、スペイン(67%)、日本(66%)では、3人に2人がコロナウイルスを懸念しています。

先月と比較したコロナウイルスへの懸念が最も高まったのは、ベルギー(11ポイント増)、フランス(10ポイント増)、イスラエル(10ポイント増)でした。

失業

「失業」はこの調査で現在2位です。すべての調査対象国の平均では、37%が自国が直面している最も重要な問題のひとつとして失業を選んでいます。

イタリアは、63%の人が雇用問題を最重要課題としており、最も懸念している国です。

同様のスコアを示した南アフリカ(61%)は、27カ国中2位の失業に関する懸念を示しています。スペインは57%で再び3位となりました。

 

貧困・社会的不平等

全調査対象国の平均では10人に3人(30%)が、「貧困・社会的不平等」が自国の最重要課題のひとつであると回答しています。

ロシアは引き続き、この項目に対して最も懸念を抱いている国です。先月の6ポイント上昇が2月も続き、2020年12月の51%から現在63%へと急上昇しています。

その他の国では、日本(前月比6ポイント増の36%)、ポーランド(同6ポイント増の23%)、マレーシア(同5ポイント増の23%)などで「貧困と社会的不平等」に対する関心が高まっています。 

 

金融・政治的腐敗

金融/政治的腐敗は、世界で4番目に大きな懸念事項であり、平均で27%が自国が現在直面している大きな問題の一つであると回答しています。

ロシアはこの問題でもトップに立っており、57%が心配なテーマとして「腐敗」を選んでおり、2021年1月と比較して9ポイント上昇しています。

南アフリカはロシアとほぼ同じスコアで、56%の国民が、現在自国で最も懸念されることと答えています。

また、ペルー、ハンガリー、マレーシアは、「金融・政治腐敗」を最も懸念している5カ国となりました。

今後の展望

2021年2月、「自国の状況が誤った方向に向かっている」と答えた人の世界各国の平均値は64%でした。これは、2020年11月に発表された数値と並んで、過去1年間で最も悲観的なスコアとなっています。

 

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