世界が懸念していること - 2021年7月

コロナウイルスに対する懸念は、国ごとに変動しています。

2021年7月に実施した「世界が懸念していること調査 What Worries the World」の主な結果は以下の通りです。

  • 28カ国全体では、36%の調査対象者が「新型コロナウイルス」を自国が直面している最重要課題の一つとしている。これは、先月と同じでこれまでの調査で最も低い水準であり、今年の初めから14ポイント減少した。
  • コロナウイルスに対する懸念は、先月に比べて14カ国で緩和されたが、他の13カ国ではより顕著になった。
  • イスラエル、ロシア、南アフリカ、オーストラリアでは、新型コロナウイルスの懸念レベルがより大きく上昇していることがわかる。一方、インド、ブラジル、サウジアラビア、アルゼンチン、カナダでは、過去1ヶ月間で最も低下した。
  • コロナウイルスに続いて、世界の人々が最も懸念している問題は、「失業」「貧困・社会的不平等」「金融・政治的腐敗」「医療」である。
  • 全体では、63%が自国の状況は間違った方向に進んでいると回答、対して37%が正しい方向に進んでいると回答した。

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1. 新型コロナウイルス

世界の平均36%が「新型コロナウイルス」が自国で現在直面している最大の問題の一つであると回答しました。これは先月と同様で、2020年4月にこの問題への懸念に関する追跡調査を開始した際に記録したレベル(63%)のほぼ半分となっています。

マレーシア(76%)、日本(59%)、韓国(57%)は、パンデミックへの懸念が高い国です。最も低いのはスウェーデン(14%)、次いで、ハンガリー(15%)、トルコ(22%)、ベルギー(同じく22%)となっています。

イスラエルでは、前月は「新型コロナウイルス」を最重要課題として挙げたのはわずか7%でしたが、19ポイント上昇して26%となりました。そのほか、ロシア(17ポイント増の30%)、南アフリカ(13ポイント増の42%)、オーストラリア(10ポイント増の52%)などが前月比で増加しています。

前回の調査からコロナウイルスに対する懸念が低下したのは、インド(18ポイント減)、ブラジル(13ポイント減)、サウジアラビア(13ポイント減)の順です。

新型コロナウイルスは、調査対象となった28カ国のうち10カ国で単独トップの懸念となっており、オランダでは「犯罪・暴力」と、ドイツでは「貧困・社会的不平等」と並んでトップとなっています。

2. 失業

イプソスの調査によると、失業は世界で2番目に大きな懸念です。。平均して32%の人が、失業問題は自国にとって最も重要な問題の一つであると回答しています。これは、年初に記録した37%よりも減少しています。

失業に関して最も懸念しているのは南アフリカ(62%)で、次いでイタリア(55%)、韓国(51%)となっています。

スペインの懸念は10ポイント減少して49%となり、コロンビアと並ぶ順位となりました。今月、この問題で最も懸念が増加したのはマレーシア(+5ポイント)でした。

3. 貧困・社会的不平等

世界の平均31%が「貧困・社会的不平等」が自国が直面している最大の問題の一つと答えています。

この傾向が顕著なのはロシアで、市民の58%が「貧困・社会的不平等」を懸念していると答えています。次いでハンガリー(45%)、コロンビア(44%)となっています。

今月トルコでは、9ポイント上昇し40%で再びトップ5に入りました。イスラエルとマレーシアも8ポイント上昇していますが、メキシコでは11ポイント、ハンガリーでは9ポイント低下しています。

4. 金融・政治的腐敗

「金融・政治的腐敗」は、平均で30%の人が自国が直面している最大の問題の一つとして挙げており、世界が懸念する問題の4位となっています。

この問題を最も懸念しているのは南アフリカ(60%)で、現在、世界の国別平均値の2倍となっています。また、コロンビア(55%)、ペルー(53%)、ハンガリー(51%)、マレーシア(同じく51%)も、この問題に対する高い関心を示しています。

前月比で最も関心が高まったのはペルー(8ポイント増)でした。

5. 犯罪・暴力

「犯罪・暴力」は、世界で5番目に大きな懸念であり、全調査対象国の26%が、自国が現在直面している最も重要な問題の一つとして選択しています。

この問題を最も懸念している国は今回もスウェーデンで、63%が懸念しています。また、メキシコ人の半数以上(57%)が、この問題を自国の喫緊の課題と考えています。

フランスでは、6月に「犯罪・暴力」に対する懸念が10ポイント上昇しましたが、今月はこれが逆転しました(10ポイント減の32%)。その他には、オランダでこの問題に関する懸念が11ポイント増加しました。

気候変動に焦点を当てる

今年の秋に開催される国連気候変動会議(COP26)に向けて、環境問題に関する懸念について注目します。

世界各国の平均値を見ると、調査対象となった28カ国の調査対象者のうち14%が、気候変動を自国が直面している最重要課題のひとつと考えています。カナダ(32%)、ドイツ(30%)、オーストラリア(28%)の順で高い懸念が見られます。

今月の世界平均スコアは、2021年6月以来、3ポイントの小幅な上昇となりました。パンデミック前の最近の最高記録は、2020年3月に記録された16%でした。新型コロナウイルスへの懸念が落ち着くにつれて、この問題が目立つようになる初期の兆候が見られるかもしれません。これについては、今後数ヶ月にわたってモニターしていきます。

カナダ(+10ポイント)、フランス(+8ポイント)、日本(+7ポイント)など、一部の国では先月に比べて気候変動への懸念が高まっています。

Top 5 countries most concerned about change today – a 5-year trendWWW July 2021

1年前を振り返ると、2020年7月は、オーストラリアとオランダが25%でこの懸念のトップを分け合い、ドイツ(24%)、カナダ(22%)が続きました。2019年7月には、ドイツが34%でランキングのトップに立っていました。

気候変動への懸念について最も高いスコアを記録したのは、2019年~2020年の壊滅的な山火事の被害を受けた、2020年2月のオーストラリアでの39%でした。

正しい方向に向かっているのか、それとも間違った方向か?

調査対象となった28カ国では、平均して63%が自国の状況は間違った方向に進んでいると回答し、37%が正しい方向に向かっていると回答しています。

この数字は先月と同じで、2021年1月(62% vs 38%)と1年前(61% vs 39%)からあまり変化していませんが、バランス的には2019年7月(57% vs 43%)よりも悲観的になっています。

多くの人が「間違った方向に進んでいる」と回答している国は、コロンビア(88%)とペルー(86%)で、次いで南アフリカ(83%)、トルコ(82%)となっています。

今月「間違った方向に進んでいる」と回答した人の増加率が前月比で大きいのは、オランダ(+12)、マレーシア(+8)、サウジアラビア(+8)です。

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