世界が懸念していること - 2019年3月

イプソスが実施したグローバル調査で、いま世界の人々が最も懸念していることのトップ4が明らかになりました。上位4つにランクインしたのは、「金融・政治の腐敗」、「貧困・社会の不平等」、「失業」、「犯罪・暴力」です。また、調査対象国28カ国中22か国で、「自国が間違った方向に進んでいると思う」と回答した人が半数を超えました。

著者

  • Simon Atkinson Ipsos, UK
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イプソスの「世界の懸念事項調査(What Worries the World study)によると、調査対象の28か国においては、過半数の人々が「自国は間違った方向に進んでいる」と感じています(平均58%)。中でも懸念度が顕著に高かった国は、南アフリカ(77%)、フランス(77%)、スペイン(76%)、トルコ(74%)、ベルギー(74%)でした。日本では64%の調査対象者が「自国は間違った方向に進んでいる」と回答しました。しかし、世界各国のスコアには、幅広い格差が見られます。
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世界の懸念事項調査(The What Worries the World study)は、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、フランス、イギリス、ドイツ、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、ポーランド、ペルー、ロシア、サウジアラビア、セルビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、アメリカの65歳未満の成人を対象に毎月実施しているオンライン調査です。
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正しい方向

  • 自国の進んでいる方向性について最も自信を持っている国は中国で、94%の調査対象者が「中国は正し方向に向かっている」と回答しました。
  • またもや2位となったのはサウジアラビア(84%)で、これに続きインド(73%)、マレーシア(57%)という結果でした。
  • 28か国中、前月比で楽観的所感の増加幅が最大だった国はインドとスウェーデンで、いずれも「自国は正しい方向に向かっている」と回答し対象者が8%増加しました。
  • 「自国が正しい方向に向かっている」と考えている調査対象者の割合が著しく増加した国は、中国(94%)とハンガリー(28%)で、いずれも6%増を記録しています。

間違った方向

  • 一方、自国の方向性について最大の懸念を抱いていたのは、南アフリカ、フランス、スペイン、トルコ、ベルギーの人々でした。南アフリカとフランスにおいては、「自国は正しい方向に向かっている」と考えていると回答した調査対象者の割合は23%にとどまっています。次いで少ない順に、スペインでは24%、トルコとベルギーでは26%した。
  • メキシコ(56%)の楽観的傾向は最大幅でスコアを落とし、先月記録した楽観的所感の急上昇(68%)から12%減を記録しました。また、イタリアとカナダの両国でも、6%減少しています。

世界の人々の4大懸念事項:

  1. 金融・政治の腐敗(34%):この問題に懸念を抱いている国民が最も多かったのは南アフリカ(69%)で、次いでペルー(63%)、ハンガリー(60%)となっています。 
    この項目に対する懸念度の増加幅が前月比で最も大きかったのはカナダ(30%)で、11%増を記録しました。対照的に、これに対する懸念が最も少ないのはドイツ(9%)で、次いでイギリス(14%)、スウェーデン(15%)となっています。日本は前月比2%減で18%でした。
  2. 貧困・社会的不平等(34%):この問題に対する懸念度が最も高かったのはロシア(58%)で、次いでハンガリー(56%)、セルビア(54%)となっています。日本は前月比4%減ではありますが、37%でした。
    一方、この項目に対する懸念度が最も少ないのはスウェーデン(19%)、サウジアラビア(20%)でした。増減トレンドという観点で目を引いたのは、ハンガリーにおけるこの領域の懸念が8%増と、大幅に増加したことです。
  3. 失業(33%):この問題に最も大きな懸念を示していたのはイタリア(69%)、韓国(66%)、そしてスペイン(61%)です。失業に対する懸念レベルが前月比で最も増加した国はトルコ(+7%)、アルゼンチン(+6%)でした。
    この項目に対する懸念度が最も低かったのはアメリカとドイツ(両国とも11%)で、次いでイギリス(14%)、スウェーデン(15%)、ポーランド(15%)となっています。日本は前月比1%減で19%でした。
  4. 犯罪・暴力 (31%):この問題に対する懸念が最も高かったのは、メキシコ(64%)でした。僅差で後に続いた国はペルー(62%)、チリ(59%)です。前月比11%増を記録し、不安感が最も大幅に増加した国は中国(22%)でした。日本は20%で、前月比3%増でした。
    他に増加がみられた国はチリ(+9%)、マレーシア(+9%)そしてトルコ(+7%)です。一方で、犯罪に対する懸念が最も低かった国はロシアとハンガリー(両国とも8%)、そしてポーランド(11%)でした。また、この問題への懸念が最も減少した国は、ポーランド(-10%)とセルビア(-9%)となっています。

世界の5大問題

  1. 金融・政治の腐敗(34%)
  2. 貧困・社会的不平等(34%)
  3. 失業(33%)
  4. 犯罪・暴力(31%)
  5. 医療(24%)
この調査は世界28カ国(アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、フランス、イギリス、ドイツ、ハンガリー、インド、イスラエル、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、セルビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、アメリカ)でイプソス・オンラインパネルシステムを利用して実施されたものです。2019年2月22日~3月8日にカナダ、イスラエル、アメリカでは18歳~64歳、その他の国では16歳~64歳を対象として、20,019件のアンケートを実施しました。データは各国人口構成比に基づいて加重されています。

著者

  • Simon Atkinson Ipsos, UK

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