世界が懸念していることー2021年3月
世界中の2人に1人近く (45%) が、新型コロナウイルスは、世界的大流行が宣言された1年後の2021年3月、自国が直面している最重要課題の一つであると回答しています。しかし、これは先月より5ポイント下がり、2020年10月以来の最低水準です。
失業はすべての国で2番目に大きな問題であり (37%) 、貧困・社会的不平等 (31%) 、金融/政治的腐敗 (29%) がこれに続いています。犯罪と暴力(24%)は割合は先月変化なく、今月5番目に大きな問題です。
自国の状況が正しい方向に進んでいるのか、間違った方向に進んでいるのかという質問に対して、27カ国の国民の10人中6人以上 (62%) が2021年3月に「間違った方向に進んでいる」を選択し、38%が「正しい方向に進んでいる」と回答しました。
この悲観的な見方はペルー (85%) 、南アフリカ (80%) 、ポーランド(80%)の人々に最も広く共有されています。また、アルゼンチン (78%) 、スペイン (77%) 、チリ (75%) でも4分の3以上が、自国は間違った方向に進んでいると回答しています。
前月から「間違った方向に進んでいる」と回答した割合が最も上昇し、悲観的な見方が広まったのはトルコ(+5ポイント)とハンガリー (+4ポイント) です。
一方、英国(+11ポイント)、オランダ (+8) 、米国 (+5) では先月より「正しい方向に進んでいる」いう声が高まっています。
今月の主な問題は以下のとおりです。
コロナウイルス (45%)
マレーシア人は依然としてコロナウイルスを最も心配していますが、今月の61%は先月の77%を大きく下回っています。続いて英国の60%、次いで日本、オランダ(いずれも58%)の順となっています。
ほとんどの国は今月、コロナウイルスに対する懸念が低下していますが、ブラジル (+6) とハンガリー (+6) では緩やかな上昇が続いています。
コロナウイルスは今月、27カ国のうち14カ国で最重要問題となり、先月の17カ国から減少しました。減少した3か国は、韓国(コロナウイルスと失業者が同率トップ)、メキシコ(犯罪と暴力が再度トップになった)、スペイン(失業に対する懸念がコロナウイルスを抜きました。今回の調査から脱落した国は、韓国(COVID-19は現在失業者と共同トップです)、メキシコ(犯罪と暴力が再びリストのトップになった)、スペイン(失業がCOVID-19を追い抜く)でした。
COVID-19

失業 (37%)
失業は現在、調査対象国全体で2番目に大きな懸念となっており、コロナウイルスのパンデミックの中でもやはり重要な懸念事項です。平均すると37%が、現在自国が直面している最も重要な問題の一つとして選択しています。
イタリアと南アフリカでは60%が、失業が現在、自国が直面している最大の懸念事項だと回答しています。続いてスペイン(58%)、韓国 (54%) でも半数以上が失業を最大の懸念事項として挙げています。
失業への不安が前月比で最大に増加したのはベルギー(+9ポイント)でした。
貧困・社会的不平等
調査対象国全体の10人に3人 (31%) が、貧困・社会的不平等は、現在自国が直面している最も重要な問題の一つであると回答しています。これは、過去12か月間、この調査の3番目に重要な問題です。
10人のうち6人が貧困・社会的不平等を選択したロシアは、調査対象27カ国の中で、この問題への関心が最も高いで国です。以下、ハンガリー (45%) 、チリ (43%) 、アルゼンチン (41%) と続きます。
この問題への懸念が前月比で最大に増加したのはアルゼンチン(+6ポイント)と英国(+6で31%)です。
金融/政治的腐敗
金融/政治的腐敗は世界の4番目に大きな懸念事項です。10人中ほぼ3人 (29%) が、現在自国が直面している最も重要な問題の一つだと回答しています。ロシアに代わり、南アフリカがトップとなっています。8ポイント増加し、ほぼ3分の2 (64%) が金融/政治的腐敗を最大の懸念事項としています。次いでペルーとロシアで、両国とも国民の50%がこれを懸念しています。その他、金融/政治的腐敗についてとくに懸念が高い国は、マレーシア (49%) とハンガリー (46%) です。
先月と比較して、最もこれに関する懸念が増加したのはスペイン(+13ポイント)で、メキシコ (+10) 、日本(+10)が続きます。
犯罪と暴力
犯罪と暴力は、5番目に大きな懸念事項であり、すべての国で平均24%が自国が直面している最も重要な問題の1つとしてそれを選択しています。
スウェーデンが最も高く (59%) 、チリ、メキシコ(いずれも51%)、アルゼンチン、南アフリカ(いずれも47%)がこれに続きます。
今月、アルゼンチン、チリ、メキシコ、スウェーデンでの調査では、犯罪と暴力は、すべての問題のうち最大の懸念として浮上しています。
以前の調査では、メキシコ人はコロナウイルスを最も心配していました。これは2021年の最初の2ヶ月間トップでしたが、現在は犯罪と暴力に戻っています。
経済的な焦点
調査対象の27カ国全体では、3分の2 (67%) が自国の経済状況を 「悪い」 と考えており、3分の1が 「良い」 と考えています。先月に比べて肯定的に評価する人が3ポイント増加しました。
自国の経済が 「非常に」 または 「ある程度」 良いと評価する傾向が高い国:
1. サウジアラビア (90%)
2. インド (68%)
3. スウェーデン (64%)
4. オーストラリア (64%)
5. ドイツ (52%)
5. オランダ (52%)
自国の経済が 「非常に」 または 「ある程度」 悪いと多数が評価する国:
1. アルゼンチン (92%)
2. ペルー (89%)
3. イタリア (88%)
3. 日本 (88%)
5. フランス (86%)
27カ国の経済見通しを追跡したところ、先月以来、自国経済の将来についての楽観論がわずかに高まっていることがわかりました。平均すると、3分の1 (32%、+4ポイント) が6カ月以内にさらに強くなると答え、4分の1 (24%) は弱くなると考えています。
経済が「かなり」 または 「やや」 強くなるだろうと予想する人が多い国:
1. サウジアラビア (72%)
2. インド (60%)
3. ブラジル (54%)
4. メキシコ (48%)
5. オーストラリア (45%)
経済が 「かなり」 または 「やや」 弱まると予想する人が多い国:
1. 日本 (47%)
2. ポーランド (43%)
3. フランス (37%)
4. オランダ (37%)
5. 韓国 (36%) 、トルコ (36%)
詳細については、2021年3月のグローバルサマリーレポートをご覧ください。
先月の結果 もこちらから併せてご覧ください。