メンタルヘルスはがんや新型コロナウイルスを抑えて最大の健康問題に
31 カ国で48% が自国の医療の質は良いと回答していますが、その状況には一貫性がありません。

31 カ国の人々にとって、メンタルヘルス(精神疾患)は最大の健康上の懸念事項であり、がんや新型コロナウイルスといったこれまでの最大の懸念事項を上回っています。
イプソスグローバル医療サービスモニターは、5 年間のトレンド データをもとに、最大の健康上の懸念事項の変化、人々の自国の医療システムに対する満足度、そして世界中の医療提供者が直面している最大の課題について調査しています。
主な調査結果
世界中でトップの健康問題
31 カ国の人々は、自国が直面している最大の健康問題としてメンタルヘルス(精神疾患)を挙げています。 2018 年にこの調査が開始されて以来、メンタルヘルス(精神疾患)への懸念は 17 ポイント 増加し、5 分の 2 以上 (44%) が懸念を示しています。さらに、ストレスに関する懸念(現在 30% が懸念事項として挙げています)も増加しています。現在リスト内ではがん(40%) に次ぐ 3 位となっています。
スウェーデンとチリでは、3 分の 2 がメンタルヘルスを自国が直面する最大の健康上の懸念の 1 つであると感じています。その他にカナダ、スペイン、オーストラリアが上位 5 位を占めています。
その他の健康上の懸念を見ると、インドはがん (59%) を最も懸念しており、韓国はストレスに対する懸念が最も高くなっています (44%)。メキシコでは10人に6人(62%)が肥満が大きな問題だと答えており、チリでは49%で2位となっています。
男性と女性の違いを見ると、全体として男性は女性よりも自国におけるメンタルヘルス(精神疾患)への懸念が著しく低いことがわかります(38% 対 50%)。そして、がんとストレスについても同様のパターンが見られます。女性の42%ががんを懸念する一方、男性では37%となっています。女性の 33% がストレスを懸念しているのに対し、男性は 27% がストレスを問題視しています。
世界の人々は、自国の医療制度をどう評価しているか?
人々は自国の医療制度の質にほぼ満足しています。調査対象となった 31 カ国のうち、ポーランド、ハンガリー、ペルー、ブラジルの 4 カ国を除くすべての国が、自分達が受けている医療の質について「非常に良い」または「良い」と回答しています。
シンガポール人は自国の医療制度について最も肯定的であり、71% が「非常に良い」または「良い」と答えています。スイスは 2 位で、68%が医療制度の質に満足しています。
しかし、 25 カ国の過半数は、自国の医療制度が逼迫していると回答しています。これはフランスと英国の両国では5分の4にも達します。イギリス人は常に自国の医療制度が過重労働であるとの認識を示してきましたが、フランス人は徐々に悲観的になり、2018年以降12ポイント上昇しています。フランスはまた、自国の医療制度には十分な人員が不足していると考える割合が最も高くなっています。
自国の医療制度が逼迫していると考えていない唯一の国はポーランドで、41%が問題視していません(問題だと考えているのは27%)。
世界の調査対象者の 3 分の 1 は、自国の医療制度はすべての人に同等の医療を提供していないと考えています。この傾向が強いのは、ハンガリー、ポーランド、チリ、コロンビア、米国、ドイツ、ペルー、アイルランド、南アフリカ、メキシコ、ブラジル、トルコの 12 カ国です。
本調査について
これは、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームと、インドでは IndiaBus プラットフォームで実施された31カ国の調査の結果です。2023年7月21日~8月4日にかけて、インドの18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国では16~74歳の23,274人を対象にアンケート調査を実施しました。